Linuxにはディストリビューションが多数存在しておりますが、
標準仕様を定めた文章があるので、
ディストリビューション間の違いによる混乱を防げるようになっています。
その標準仕様の中に、どんなファイルを、
どのディレクトリに置くべきかが記載されている文章があり、
必須とされるディレクトリと、
必須ではないオプション扱いのディレクトリがあります。
必須とされるディレクトリには、
Linuxの起動に必要なファイルが入ったディレクトリで、
それ以外の、起動後に利用されるファイルや、
ユーザーが利用するファイルが入ったディレクトリは、
必須ではないディレクトリとされています。
■「/」配下の必須ディレクトリ
/boot/
読み:ブート
由来:boot loader
用途:システムブート時に必要となるLinux カーネルなどの静的ファイルを格納
/dev/
読み:デブ
由来: device
用途:接続されたデバイスを表すファイルを格納。システムの入ったハードディスクドライブの情報などは/dev/に格納されますので起動時に必須となります。
/etc/
読み:エトセ
由来:et cetera
用途:マシン固有のシステム構成ファイルや、マシン固有の設定ファイルなど、 システム全体に関わる設定ファイルを格納
/lib/
読み: リブ
由来: library
用途:必須の共有ライブラリ(/bin/や/sbin/に含まれるバイナリファイルを実行するために必要なライブラリ)とカーネルモジュールを格納
/media/
読み:メディア
由来: media
用途:CD-ROMやDVD-ROMなど、光学ドライブメディアのマウントで使用される情報の格納
/mnt/
読み:マウント
由来: mount
用途:NFSファイルシステム(共有フォルダなど)の一時的なマウントで使用される情報の格納
/opt/
読み: オプト
由来: option
用途:オプションのソフトパッケージや、追加プログラムのインストールファイルなど、 パッケージ管理ツール以外でインストールしたディレクトリ構造になっているアプリケーションを格納
/sbin/
読み:エスビン
由来: system binaries
用途:mountやshutdownなどの、管理者(rootユーザー)のみが実行可能なシステム管理コマンドの格納
/bin/
読み:ビン
由来: binaries
用途:一般ユーザーでも実行可能な基本的なコマンドの格納
/srv/
読み:エスアールブイ
由来:served
用途:HTTP、FTPなどの特定のサービス用のデータファイルを格納
/tmp/
読み:テンプ
由来: temporary files
用途:一時ファイルなどの、一時的に使用する作業用ファイルを格納。格納したディレクトリ及びファイルは、リブート(再起動)をすると保持されずに消える。
/usr/
読み: ユーザ
由来: User Services and Routines 又は User
用途: 全ユーザーが使用するアプリケーションソフトウェアやライブラリ群を読み取り専用の共有ファイルとして格納。多くのブログラムがサブディレクトリに使用している為、複数のサブディレクトリが配置され、構造が複雑になっています。
■オプションディレクトリ
/var/
読み:バー
由来: variable
用途:ログファイルなどの格納。読み書き可能なディレクトリなので、システムやアプリケーションがログファイル、ロックファイル、一時ファイルなどの格納に使用しています。
/proc/
読み:プロック
由来: process
用途: プロセスやメモリーなどのリソース情報を、仮想的なファイルで格納。実行中のプロセスはサブディレクトリとして存在し、ディレクトリ名(数字)はプロセスIDを意味します。
/home/
読み:ホーム
由来:home directory
用途: 一般ユーザーごとのホームディレクトリを格納。一般ユーザーごとのディレクトリが作成され、自由に利用できます。
/root/
読み:ルート
用途:rootユーザーのホームディレクトリ。管理者(root)のホームディレクトリなので、頂点の「/」(ルートディレクトリ)とは違います。
■Linuxの標準仕様を定めたもの
LSB(Linux Standard Base)
http://refspecs.linuxfoundation.org/lsb.shtml
■ディレクトリの用途やどのようなファイルをどのディレクトリに配置すべきかを定めたもの
FHS(Filesystem Hierarchy Standard)
http://www.pathname.com/fhs/